ネットリサーチとは|
活用例と実施の流れ、調査会社の選び方

4 August.2022 / ネットリサーチ

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インターネット上で消費者の実態や課題・ニーズを迅速に収集できるネットリサーチは、商品開発やマーケティングの様々な場面で活用されています。

本記事では、ネットリサーチの市場規模からニーズを読み解くとともに、活用例と実施の流れ、調査会社を選ぶ際のポイントまで解説します。

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ネットリサーチとは

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まずはネットリサーチとは何か、市場規模や活用例を見ながら理解を深めていきましょう。

ネットリサーチとはどういうもの?

ネットリサーチとは、インターネットを介して実施する調査のことです。インターネット調査やWebアンケート、オンラインサーベイと呼ぶこともあります。

基本的なフローは、アンケート画面を作成した後に調査対象者にアンケートURLを送り、Web上で回答してもらうという流れで進めます。従来の郵送や訪問による調査方法に比べ、簡便かつスピーディに調査を実施できる点が大きな特徴です。

ネットリサーチの市場規模とニーズが高まっている背景

一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会の「経営業務実態調査」(2022年6月17日)によると、2021年度の日本の市場調査業界の規模は推計2,357億円で、前年比107.0%と上昇しています。調査手法別にみると、パネル調査が701億円(前年比104.7%)、アドホック調査が1,365億円(前年比111.1%)です。なかでも、アドホック調査におけるネットリサーチは792億円を占めており、年々増加しています。

これらの結果から調査市場の規模は増加傾向にあり、なかでもネットリサーチの需要が高まっていることがわかります。

この背景として、老若男女問わずインターネットが浸透している現在では、ネットリサーチによるデータの信頼性を担保できるようになっているため、幅広い用途に活用されるようになっていることが推察されます。また、よりスピーディに調査データを収集できる点も、ニーズが高まっている背景にあると考えられるでしょう。

ネットリサーチの活用例

ネットリサーチは、事業活動の様々な場面に役立てることができます。以下に代表的な活用例を挙げます。

商品・サービスの開発・改善のための調査

商品・サービスを展開する上では、市場のニーズを的確に捉えることが重要になります。ネットリサーチは、課題・ニーズを把握するための調査をはじめ、「コンセプト調査」「商品開発調査」「価格調査」「競合調査」など、様々な目的で活用することができます。

商品・サービスやブランドの認知度・イメージ調査

ネットリサーチでは幅広い層への調査が可能なため、市場における認知度やイメージを調べたい場合にも有効です。調査結果を活用することで、より戦略性の高いビジネス展開が可能になります。

顧客満足度調査

商品・サービスの利用者から満足度や意見などの情報を集めることができます。顧客からのフィードバックを商品・サービスの改善に活かすことで、顧客ロイヤルティの向上につなげるといった戦略を遂行しやすくなります。

ネットリサーチのメリット・デメリット

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ネットリサーチのメリットとデメリットを以下にまとめました。

ネットリサーチのメリット

ネットリサーチのメリットは、次のように整理できます。

  • 他の調査と比較して低コストかつ短期間での実施が可能
  • 多くのサンプルサイズを集めたい大規模な調査もできる
  • 地域や対象者を絞り込むなどカスタマイズ性の高い調査が可能
  • 回答内容に応じて質問内容を変える分岐設定が可能(一部のアンケートシステム)
  • 画像や動画を用いた調査も可能(一部のアンケートシステム)

ネットリサーチのデメリット

メリットが多いネットリサーチですが、実施する際には注意しておきたいデメリットもあります。

  • インターネットを利用していない層のデータを集めることはできないため、データに偏りが生じる可能性がある
  • インターネットの特性上、対面での確認ができないため、回答者の属性などが虚偽である可能性もある

ネットリサーチ実施の流れ

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ネットリサーチを実施するフローは、大きく次の4ステップです。

1.調査企画

まずは調査企画をまとめます。具体的に決めておく事項は次の通りです。

  • 調査の目的:調査によって何を明らかにするのか
  • 調査結果の活用:調査結果を何に活用するのか
  • 調査対象者:調査対象者の属性や条件をどうするか
  • サンプルサイズ:サンプルサイズはどれくらい必要か
  • スケジュール:調査の実施~集計・分析までの具体的なスケジュール

2. 調査票作成

調査目的に沿って調査票を作成します。どのような回答を得たいのかを踏まえながら、質問項目を決めていくことがポイントです。また、回答形式を検討する際は、どのような分析結果を得たいのかを念頭においた上で決めると失敗が少なくなります。

たとえば、選択肢から1つのみ選ぶ単一選択と、該当するもの全てを選ぶ複数選択では、データの解釈が異なってきます。必要とする結果を導き出せる回答形式を検討して作成するようにしましょう。また、選択肢を考える際は、抜け漏れ・重複がないかをしっかりチェックします。

3.リサーチ実施

調査票の作成が済んだら、調査を実施します。調査期間が終了するまで待つことになりますが、アンケートシステムによってはリアルタイムで回答内容を確認できるものもあり、速報値を迅速に確認することも可能です。

4.集計・分析

調査が終了したら集計・分析を行います。基本的な方法として、単純集計とクロス集計があります。

単純集計

単純集計とは、全体に占める割合や人数、平均値などを集計する方法です。全体の傾向を押さえる上で、まずは単純集計を確認します。

クロス集計

クロス集計とは、2つ以上の質問を掛け合わせることで、単純集計から一歩踏み込んでデータを詳細に確認できる方法です。たとえば、性別・年齢などの属性×質問項目のクロス集計では、男女や年齢によって回答結果に差異があるのかといった分析が可能になります。

ネットリサーチサービスを選ぶポイント

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ネットリサーチを実施する際は、サービス提供会社の選択も重要になります。ここでは、ネットリサーチサービスを選ぶときに押さえておきたいポイントを見ていきます。

外注型かセルフ型か

ネットリサーチの実施方法には、調査会社に依頼する外注型と自社で行うセルフ型の2つがあります。

外注型

従来からある方法で、調査企画から質問票の作成、集計・分析まで一連の工程を調査会社に依頼することができます。セルフ型に比べて高コストとなりますが、専門的なノウハウを活かしたネットリサーチを実施できる点がメリットです。

セルフ型

セルフ型は、サービス提供会社のシステムを利用して自社で調査票の作成から集計・分析まで行う方法です。自社で実施するぶん、従来の外注方法と比較して安価で実施できるというメリットがあります。また、打ち合わせなどに時間を取られないため、短期間で調査を実施できるという利点もあります。

なお、セルフ型ネットリサーチFastaskは、セルフ型の課題として挙げられることが多い「質問票が適切かどうか不安」という声に応え、専任リサーチャーによる質問票チェックを行っています。

どの方法がよいかは、調査目的や予算などによっても変わります。自社の状況に照らし合わせて選択しましょう。

モニター数・構成比

ネットリサーチでは、調査目的に合ったモニターを選定することが重要になります。サービス提供会社によって保有するモニター数や属性の構成に違いがあるので、事前にチェックしておきましょう。

モニターの質

ネットリサーチで信頼性の高いデータを集めるには、登録されているモニターの質も重要なポイントです。たとえば、モニターが登録する際に本人確認を行うなどして虚偽の登録をできない仕組みを設けている、不正回答への対策をしているなどの取り組みを行っているリサーチ会社は、モニターの質がしっかり担保されていると見ることができます。

ネットリサーチを活用して多様化する市場ニーズに対応

ネットリサーチは、多様化する市場ニーズや動向を迅速かつ的確に知る上で利便性の高い手法です。意思決定の精度を高めたい、仮説と検証を繰り返すPDCAを効率化したいなど様々なニーズに対応します。ぜひ本記事を参考に、自社に適したネットリサーチを実現してください。

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