Webアンケートの調査票|
作成手順とスマートフォンで回答しやすい調査票のポイント

4 October.2022 / Webアンケート

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アンケートの実施プロセスにおいて、特に重要な工程は調査票設計です。調査票の質がアンケートの成否を分けると言っても過言ではないため、基本をしっかり押さえておきましょう。

本記事では、近年主流になりつつあるWebアンケートの調査票を作成する手順や、スマートフォンで回答しやすい調査票のポイントを解説します。

あわせて読みたい|調査票作成のコツ

これからアンケート調査を実施する方向けに、設問文・選択肢の書き方で気をつけるべき点や設問のテンプレート、設問作成のコツについてまとめました。

Webアンケートにおける調査票

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調査票とは、調査対象者への質問項目や選択肢をまとめたものです。いわゆるアンケート用紙のことで、Webアンケートでは「アンケートフォーム」とも呼ばれています。

調査票の重要性

調査形態がWebか紙ベースかに関わらず、調査票の質はアンケートの結果に影響を与えます。調査票の構成や質問文などが不適切だと、回答者に誤解や先入観を与え、回答の精度低下につながることがあります。また、回答者に手間をかける調査票は完答してもらえない傾向があるため、適切でわかりやすい調査票を設計することが重要です。

近年主流になりつつあるWebアンケートでは、回答デバイスの性質を考慮して調査票を設計することもポイントです。

スマートフォンからの回答割合が増加

日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)が実施した調査によると、Webアンケートではスマートフォンからの回答割合が年々増加しており、2019年時点で56.1%でした。

年代別では10代(92.3%)、20代(84.6%)、30代(75.2%)、40代(58.4%)、50代(42.7%)、60代以上(22.9%)となっており、若年層を中心に高い水準であることを踏まえると、調査票の仕様もスマホユーザーに配慮する必要があります。

スマホで回答しやすい調査票のポイントは後述しますが、少なくともマルチデバイスへの対応は必須と言えます。

データ引用元:
日本マーケティング・リサーチ協会「インターネット調査品質ガイドライン 第2版」

Webアンケートの調査票を作成する基本手順

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一般的に、Webアンケートはアンケートツールを用いて作成します。アンケートツールには調査票作成をサポートするテンプレートや機能が備わっているため、不慣れな人でも容易に作成できます。

ここでは、アンケートツールで調査票を作成する基本手順を説明します。

質問する項目・順番を決める

まず、調査で明らかにしたいことや仮説を明確にし、その内容に従って質問項目を検討します。質問項目を洗い出したら、回答の流れを考えながら質問の順番を決めます。

基本的なポイントは以下です。

  • 時系列に沿って聞く(例:過去→現在→未来)
  • 簡単に答えられる質問から聞く(例:事実→意識)
  • 全体のことを聞いてから詳細を問う
  • 先入観(バイアス)を与えない順番にする

質問文を設定する

調査票の構成が決まったら、質問文を設定します。専門用語や略語は避け、誰にでもわかりやすい言葉遣いを心がけましょう。また、主語がない、時期が不明瞭など回答者の解釈により誤解が生じるような質問文では回答の精度が低下し、アンケート結果に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。

設問タイプを設定する

質問文とあわせて設問タイプ(回答形式)を設定します。アンケートツールには以下のような設問タイプのフォーマットが用意されているため、質問内容に合うものを選択しましょう。

  • ラジオボタン
  • チェックボックス
  • スケール
  • マトリクス
  • テキストボックス

選択肢を設定する

質問内容に応じて選択肢を設定します。代表的な選択肢は漏れなく設定し、回答できない人が出ないよう、「その他」や「あてはまるものがない」などの項目を用意することが基本です。回答が「その他」などに集中してしまうリスクを減らすためにも、代表的な選択肢を必ず設定しましょう。

プレビュー/自分で回答してみる

調査票の設定が終わったら、配信する前に自分でアンケートに回答してみましょう。誤字脱字や選択肢に不適切な箇所はないかなど、回答者の立場に立ってチェックすることが重要です。また、回答内容に応じて次の設問ページを分岐させる場合は、適切なページに遷移されるかどうかも確認してください。

スマートフォンユーザーに配慮した調査票とは

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スマートフォンは画面が小さいため、PCに最適化された調査票では回答しづらいことがあります。回答者が負担を感じるとアンケートの途中で離脱する可能性があるため、調査票はスマホユーザーに配慮して設計することも重要です。

ここでは、スマホで回答しやすい調査票の主なポイントを4つ紹介します。

回答所要時間は10分以内を目安に

スマホユーザーは、仕事・家事のすきま時間や移動時間を利用して回答する人も多いため、所要時間が長いアンケートは敬遠される可能性があります。優先度の低い設問は整理し、できる限り10分以内で回答できるように調整しましょう。

また、調査票の冒頭で所要時間の目安を明記しておくと、「5分で終わるなら、今のうちに回答しよう」と回答意欲を高める効果が期待できます。

質問文や選択肢は簡潔に

スマホの画面でも見やすいよう、質問文や選択肢は簡潔にまとめることが重要です。質問文が長い上に選択肢が多すぎると、画面をスクロールしないと設問を把握できなくなり、回答者にストレスを与えてしまいます。質問文では過度に丁寧な言い回しや冗長な表現は避け、代表的ではない選択肢はできる限り絞るようにしましょう。

マトリクス形式や自由回答を多用しない

スマホの画面では一覧表示がしづらいマトリクスや、自由記入の回答形式が多いことも回答者の負担につながります。特に、大きなマトリクス形式の設問では横・縦のスクロールが必要となるため、初期表示で確認できる項目が選択されやすくなる傾向があります。回答に手間のかかる設問では離脱率も高まるため、マトリクスや自由回答は多用しないことをおすすめします。

回答者のプライバシーに配慮する

Webアンケートのモニターは、自分の生活実態にまつわる情報を提供することに協力的な人が多いです。とはいえ、プライバシーに踏み込んだ内容については回答を躊躇する人が少なくないため、個人が特定されるような質問や、センシティブな内容の質問は控えましょう。

回答者が不安に思わないよう、個人情報の取り扱い方法については調査票の冒頭や依頼の段階で明示しておくことも大切なポイントです。

精度の高いアンケートを実施しよう

Webアンケートの調査票はアンケートツールで容易に作成できますが、そもそも調査票の設計が不適切だと精度の高いアンケート結果を得ることができなくなります。調査票を作成する際は、回答者視点でわかりやすい構成・設問や、スマートフォンでもストレスなく回答できる仕様を心がけましょう。

ここで紹介したポイントを踏まえて適切な調査票を作成し、効果的なWebアンケートを実施してください。

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